~101回目のプレスリリース~最終話「真実の愛に目覚めた男、現る」
『101回目のプレスリリース』は、「プレスリリースの配信」を題材に「恋愛」を掛け合わせ、物語としてプレスリリースや広報の基本を学んでいただけるストーリーコンテンツです。
【前回までのあらすじ】
念願だった麗子との食事デートを雰囲気よく終えたタカシマ。しかし、麗子とは恋人でもないのに2人で撮った写メを「彼女と食事をした」とFacebookにアップしてしまう。自身が発信した情報がSNSで拡散されていることに驚いたタカシマは慌てて自らのコメントを削除するが時すでに遅し。またもやこっぴどくリリーに説教されるタカシマだったかが、時折不可解な言葉遣いをするリリーに対しひとつの疑念が生じる。事の真相を確かめるべく、タカシマはついにリリーの元へ向かった。
―とある日の午後―
あやしい・・・実にあやしいぞ リリーくん!
都内の飲食メーカーに勤める28歳の会社員。広報担当。
プレスリリースの基本は分かっているが、恋愛に関しては全くダメ。
広報担当者の交流会で出会った麗子とデートの約束を取り付けるために日夜奮闘中。
趣味は将棋の棋譜を眺めること。
な、なにがベア?ミーは決してあやしいものじゃないベア、善良な市民ベア
恋愛のアプローチ方法をプレスリリース配信で紐解くという独自の理論を持つ謎のぬいぐるみ。
タカシマを指南するために現世にやってきた。
白くまでは無いと言い張るが語尾に「~ベア」が付く。
いや、もう俺はだまされないぞ!ずっと前から気になっていたんだ。麗子さんしか知らないことをリリーが知っていたり、リリーのしゃべり方が麗子さんの口調に似ていることが!麗子さんとリリーは一体どういう関係なんだ!答えろ!
答えなければ・・・そのスカーフ取っちゃうからな~
や、やめるベア
あっっっ!
ポテッ
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フッ。こうなった以上はもう隠せないみたいね
アメリカで最先端のマーケティングPRを学んできた敏腕広報ウーマンの28歳。
帰国子女で語学が堪能。現在は様々な企業の広報でコンサルティングをしている。
主人公タカシマが恋い焦がれる女性。
れ、麗子さん。なんで麗子さんがここに!?
今のリリーはもう動かないわ。それにリリーはね、全てこの私が操っていたのよ
!? 操つるって何?。リリーと麗子さんってどういう関係?
全てを明かしましょう。
以前からあなたが私に気があることは知っていたわ。私だってタカシマくんと話をしていると楽しいとは思っていた。だけどタカシマくん、、、あなたはまだまだこの私にはふさわしくなくってヨ!!!
そこで私は超最新式のぬいぐるみ型アンドロイドロボットのリリーを開発して、あなたの元へ送り込んだってわけ。これまでリリーはきちんと恋愛の基本をタカシマくんに教えてくれたでしょ?
ほら、あなたが手に持っているリリーのスカーフ、それには通信機が内蔵されているの。私のスカーフから電波を受信して動いていたのよ。つまり、リリーと私は一心同体ってこと
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一心同体!?そういえば俺の前にリリーが現れる時は、決まって麗子さんらしき人影をみたような・・・
つ、つまりあの麗子さんは、毎日俺の行動を監視しながらリリーを操っていたというのか。。。
(ガクガク ブルブルッ)
麗子さん、そこまでして俺のことを・・・
ストーカーしていたのかーーーー!!!
し、仕方ないじゃない。あなたのそのトンチンカンな恋愛スキルをどうにかするにはこれしかなかったのよ
こんな恐ろしい女からは・・・一目散に逃げるのみ!
あっ、待ってタカシマくん
うっ逃げ足の早いヤツめ・・・ こうなったら・・・
さぁリリー達!タカシマを追いかけなさい!!
タカシマ~!待つベア~!
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な、なんじゃこりゃー!助けてーーー!!!
あっ
あっ
ち、ちがうベア。待つベア、ミーは・・・
今のミーはもう麗子に操られてないベア
えっ?
なぜだか分からないけど、ミーのスカーフの受信機はもう完全に壊れているベア。でもこうして自由にタカシマと話せるようになっているベア
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うわーーーーん。俺はぁーーーもうリリーが死んじゃったと思ったんだよーーー。
そんなことないベア。たしかにミーの正体はロボットなんだベア。でもミーには人工知能のシステムが埋め込まれているベア。だから麗子に操られなくなっても、ユーとの思い出は残っているし、これからも会話はできるベア
よかったーー!!!・・・ふぅ、それにしても今までいろんなことがあったなぁ。
・・・俺は今やっと気づいたよ
ん?なにがベア?
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俺はリリーが好きだ!愛してる!
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ミーもベア。I love you too!!
はぁ・・・俺にもようやくかわいい恋人ができたなぁ。
こうして長年恋い焦がれた麗子との恋を完全に断ち切ったタカシマは、リリーという新たな相棒を見つけたのであった。
真実の愛に目覚めた男、タカシマは今日も謎のぬいぐるみリリーと共にゆく。
~The End~