2012年12月11日 15:00

なぜ、写真家は、自殺した妻の最期をカメラに収めたのか? 写真家・古屋誠一の苛烈な人生を写真家・小林紀晴が描く渾身のノンフィクション、『メモワール 古屋誠一との二〇年』が12月14日(金)発売!

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「さあ来たぞ。お前たち呪われた眼よ。この美しい光景を思いきり楽しめ」(プラトン『国家』より)…自殺した妻・クリスィーネの最後をカメラに収めた写真家・古屋誠一。その苛烈な人生を写真家・小林紀晴が描く渾身のノンフィクション。「突き刺さる、という意味においては近年、稀に見る作品」茂木健一郎氏、「心の奥に忘れ難い印象を残す作品」田中優子氏と絶賛された第10回開高健ノンフィクション賞次点作が、単行本化!

『メモワール 写真家・古屋誠一との二〇年』

小林紀晴・著/12月14日(金)発売/四六判ハード 288p+口絵8p/定価1,785円(税込)
ISBN 978-4-08-781517-7
http://gakugei.shueisha.co.jp/

 オーストリア在住の写真家・古屋誠一は、自殺した妻・クリスティーネの自殺した直後の姿をカメラに収める。そして、妻の写真を多く含んだ写真集『メモワール』を現在まで何度も構成を変えて発表する。
 91年、写真展でその写真に出会った著者、小林紀晴は、同じ写真を撮る者として、いくつかの疑問と興味が“古屋誠一”という人間に芽生え、膨らむ。
 なぜ、妻を撮り続けたのか? なぜ、自殺した直後をカメラに収めたのか? なぜ、亡くなった妻の写真を発表し続けるのか? 
 グラーツ、アルル、ニューヨーク、リヨン、東京、伊豆…何年もかけて、著者は古屋の姿を追い続ける。
 古屋誠一のことを書くことは、写真を撮るという行為、表現するという意味を突き詰めることにもなっていく。

【目次】

プロローグ / 第一章 もはや写真ではない / 第二章 けれど、ここで生きている / 第三章 もっと命を燃やすために / 第四章 読むべきものなのか、わからない / 第五章 あなたが殺したのですか / 第六章 死に追いやるために / 第七章 美しく、晴れ晴れと / 第八章 覚悟はできている / 第九章 語りえない孤独 / 第十章 一回限りなのか / 第十一章  訊けば、終わらなくなる / 第十二章  すべてから、遠く / エピローグ

【開高健ノンフィクション賞】

小説のみならず、ノンフィクション文学に大きな足跡を残した開高健を記念して創設された賞。
受賞作に『最後の冒険家』(石川直樹)、『インパラの朝』(中村安希)、『空白の五マイル』(角幡唯介)『エンジェル・フライト』(佐々涼子)など。
本作は第10回に次点となった。

【コメント】
●茂木健一郎●
「突き刺さる、という意味においては、近年、稀に見る作品」
●藤沢周●
「悲劇と自意識と表現がせめぎ合う地獄において甘美を求める姿は、
3.11の被災地に向かった表現者達の心の底にもなかったか。
オフィーリアを求める者達の宿阿の疼きと罪」
●森達也●
「読み進めるうちに読者は気づくはずだ。
小林が追い続けているのは小林自身の“呪われた眼”であることを」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・古屋誠一写真集『Aus den Fugen』 (C)Seiichi furuya


古屋誠一(ふるや・せいいち 写真家・1950年~)とは?
伊豆半島に生まれ育ち、東京写真短期大学(現・東京工芸大)卒業後の1973年、23歳のときに、
横浜からナホトカ号、シベリア鉄道などを乗り継ぎヨーロッパに渡る。
その後オーストリアで現地の女性と知り合い結婚、一児をもうけた。
現在まで帰国することなく、オーストリア第二の都市グラーツで暮らしている。
古屋は妻となる女性と知り合ったその日から、その姿を撮り始めた。結婚後も日常的に妻を撮り続けた。
やがて妻は精神を病んだ末に、東ベルリンのアパートの上階から身を投げ、自殺。
その直後の姿も、古屋はカメラにおさめた。1985年のことだ。
妻・クリスティーネ・フルヤ・ゲッスラーと共に過ごした時間は、7年8カ月ほどだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・古屋誠一

【著者略歴】
小林紀晴 こばやしきせい
1968年、長野県生まれ。95年、旅する若者たちを写真と文章で描いた『ASIAN JAPANESE』でデビュー。97年『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞を受賞。主な写真集・著書に『ASIA ROAD』『写真学生』『遠い国』『9月11日から僕のこと』『ハッピーバースデイ3.11』など。

★番組情報★
12月13・20日(木曜・22:00~)の2週にわたって、BS朝日『Hello! フォト☆ラバーズ~ミル・トル・アルク~』で小林紀晴氏×木村カエラさんがカメラ散歩。その中で、『メモワール 写真家・古屋誠一との二〇年』も紹介されます。
http://www.bs-asahi.co.jp/mirutoru/

※記載内容(リンク先を含む)のサービスや表現の適法性について、ドリームニュースでは関知しておらず確認しておりません。

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会社概要

商号
株式会社 集英社(カブシキガイシャ シュウエイシャ)
業種
新聞・放送・出版・広告・印刷
上場先
未上場
従業員数
5000名未満
会社HP
http://www.shueisha.co.jp/

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