2015年02月23日 11:30

ハウスプリペイドカード市場に関する調査

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 株式会社ICT総研 (東京都千代田区)は2月23日、ハウスプリペイドカード市場に関する調査結果をまとめた。ハウスプリペイドカードは利用者の利便性向上や特典などの付加価値が期待できるサービスで、売り手である運営店舗者も顧客の囲い込みができるというメリットがあるため注目を集めている市場である。

■カード発行額は2014年度5,790億円、2017年度に74%増の1兆60億円へ

 日本における電子マネー市場は年々拡大しており2013年には約4兆円が流通、さらに2017年には7兆円規模に拡大する見込みである。電子マネーの種類としてはICチップ搭載型カード(Suicaなど)、磁気ストライプ型プラスチックカード(スターバックスカードなど)、仮想通貨(ビットコインなど)といったものがある。このうち、磁気ストライプ型のプラスチックカードは、主に特定店舗のみで使えるハウスプリペイドカードとして普及が進んでおり、様々な業態の店舗で発行されるようになってきた。
 ハウスプリペイドカードの特徴は、スターバックス(カフェ)、モスバーガー(ファストフード)、ABCマート(シューズショップ)など店舗運営法人名義で発行される電子マネーであり、その店舗で利用することで様々な特典を得られる仕組みだ。またハウスプリペイドカードは、店舗に設置された端末と本部のサーバをオンラインで接続して決済を行うもので、既存のPOSシステムやクレジットカード決済用端末を利用することもできる。さらにハウスプリペイドカードを保有するカード利用者の来店する頻度が増え、店舗にとっては顧客を囲い込むことができるため売上増加につなげることができる。
 ICT総研の調査結果によれば、ハウスプリペイドカードの発行額は、2012年度に4,060億円であったが、2013年度4,820億円、2014年度は5,790億円に拡大する見通しだ。さらに今後も20%前後の成長が見込まれ、2017年度には現在の74%増にあたる1兆60億円となると予想される。
 日本政府は2020年に向けて「キャッシュレス決済」の普及促進を成長戦略の一環として組み込んでおり、クレジットカードやプリペイド電子マネーの市場拡大が加速されそうだ。

※ハウスプリペイドカードとは、専門店・スーパーマーケット・ホテル・外食チェーン・カフェ・アミューズメント施設など店舗名義で発行されるプリペイドカードである。ここではリチャージ型カードを対象としており、チャージできない使い切り型ギフトカード等は除外した。
※サーバ管理型の電子マネーでありプラスチック製カードに磁気などで顧客IDが書き込まれている。
※カード残高はサーバ側で管理しており、残高情報が書き込まれたICチップ搭載型電子マネーとは異なるシステム。
※クレジットカード会社やデパートなどが発行する、様々な業種の店舗で汎用的に利用できるもの(ブランドプリペイドカード)は含まない。
■バリューデザイン社のサービス利用店舗は27,600店、シェア43%で1位
 大日本印刷などの販売代理店と共同提案体制によりシェア拡大を実現

 ASP型サービスとしてのハウスプリペイドカードシステムを利用する店舗は、2014年12月末時点で64,500店に達している。このうち、サービス提供事業者のシェアを見てみると、バリューデザインが27,600店舗にサービスを提供しており、シェア43%で首位に立っている。次いで、富士通エフ・アイ・ピーが12,000店舗でシェア19%(2位)、レピカが3,000店でシェア5%(3位)と続いている。
 業界トップのサービス事業者であるバリューデザインは、406社にサービスを提供しており提供法人数ベースでも首位となっている。
 カードを導入する法人が運営する店舗の規模は、数千店舗の大型チェーンから数店舗程度の小規模なものまで様々であり、オンプレミス型の大規模システム開発だけでなくASP型サービスのニーズが高まっている。ASPサービスによる導入しやすさを追求したことがバリューデザインなどの事業者のシェア拡大にもつながっているようだ。また、株主でもある大日本印刷やJCBなどが販売代理店となっており、販売代理店と一体となって各社の強みを活かした提案を行なう体制を構築したことが市場シェア拡大につながった。
■ハウスプリペイドカードの現時点の利用率は13%、今後利用したいユーザーは22%

 ICT総研が2015年1月に実施したWebアンケート調査において、ハウスプリペイドカードの利用状況について聞いたところ、既に利用していると回答した人は2,138人中280人で利用率は13%であった。現在利用していないものの、今後利用したいと考えている人は461人で22%に達するためハウスプリペイドカードの潜在需要は現状の2倍以上存在するのではないだろうか。一方で「利用する予定はない」、「わからない・決めていない」という回答が大半を占めており、交通系プリペイドカード等を利用している人が多いことや、ハウスプリペイドカードの認知度が低いことも影響している。
 ここ数年でハウスプリペイドカードを発行する店舗が増えていることから、今後はカードの認知度も高まると予想され、認知度向上とともに利用意向が拡大していくだろう。
■ ハウスプリペイドカードの保有枚数が多いユーザーほど来店頻度が高まる傾向にある

 アンケートにおいてハウスプリペイドカードの保有枚数について聞いたところ、1枚のみという回答が全体の46%を占めた。2~3枚が36%、4枚以上は16%となった。
 続いて、カード保有後に来店頻度が増えたかどうか聞いたところ、1枚のみ保有している人で来店頻度が増えた人は28%、変わらないという回答は68%であった。これに対してカードを2~3枚保有している人で来店頻度が増えた人は40%、4~5枚保有している場合は58%もの人が増えたと回答した。
 ハウスプリペイドカードの保有枚数と来店頻度の増加傾向には明らかに相関関係があり、ハウスプリペイドカードを発行することで各店舗の売上拡大やファン獲得が期待できそうだ。
■ ハウスプリペイドカード利用者のうちの83%がカードの特典や利便性に満足している

 ハウスプリペイドカードの利用者に対して、カードのメリット(割引特典等)や利便性(小銭が要らない等)について満足しているかどうかを聞いたところ、大変満足していると回答した人は87人で31%だった。やや満足という回答は52%で、合わせて83%の人が満足していることになる。カードを発行する店舗は、顧客に対して様々な割引特典やカード利用者向けの限定キャンペーンなどを提供することも多いため、利用者がこれらのサービスに対して満足しているようだ。また、プラスチック製の磁気カードという特性により、多様なデザインのカードを印刷することができ、デザイン性の高さも利用者の満足度を高めている。
 企業や個人の経済活動が多様化し、ICT(情報通信技術)の進歩とともに様々な決済方法のニーズが高まっている。クレジットカードやプリペイドカード、仮想通貨等の電子決済市場は2018年頃に100兆円を超えるという予測もあり、今後も新しい決済手段が現れそうだ。
 このところ各業界でO2O(Online to Offline)、オムニチャネル等のマーケティング手法が導入される傾向にあり、iBeaconといった新しいテクノロジーの導入も盛んになりつつある。オンラインショップとの競争も激化しているため、リアル店舗が集客を増やすためには、マーケティング方法の見直し、新技術の導入が欠かせない時代となってきた。決済方法の多様化も必要不可欠な課題であり、ハウスプリペイドカード市場は、利用者・店舗双方がメリットを享受できるシステムとして普及が見込まれるため、今後もその市場規模を拡大することになるだろう。

■本リリースに関するお問い合わせ先
株式会社 ICT総研 広報担当
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-4-4 神田須田町ビル3階
TEL:03-6206-0941
ホームページ: http://www.ictr.co.jp
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TEL
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