2015年04月28日 09:00

【A.T. カーニー調査】 2015年海外直接投資信頼度ランキング「企業が投資したい国」上位25カ国のほとんどが先進国。三年連続で米国が首位、中国が2位。日本は大幅に順位をあげ、7位にランクイン

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経営コンサルティング会社A.T. カーニーは、本日(日本時間4月28日)、「海外直接投資信頼度指数(The FDI Confidence Index(R) :FDICI)」の調査結果を発表し、投資先として魅力のある国上位25カ国をランキングした。

今回で15回目の発行となる「海外直接投資信頼度指数(FDICI)」の最新の調査によれば、回答者の3の2が2016年までに海外直接投資の規模を、世界金融危機前のレベルに戻す予定であるとし、調査対象である世界の大手企業経営層が成長の機会を前向きにとらえていることがわかった。

本調査の創始者でA.T. カーニーグローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシルの会長、ポール・ラウディシナは、こう述べている。「投資家は先の金融危機を必死に過去のものにしたいと考え、すでに新しい投資先に目をむけている。マーケットの変動や経済の不安定感といった懸念もあるものの、今回の調査結果は海外投資が再活性化していることを示唆している。戦略的洞察と分析をもって、どこに着目すべきかを正しく見極めれば世界的な好機と言えよう」
海外直接投資信頼度指数(FDICI)は、1998年に調査・報告書の発表を開始以来、世界の大手企業経営層の海外直接投資選択を注視しているが、投資先として魅力のある国の上位にランク入りした国や地域は、調査後1年を経て世界から多くの投資を呼び込んでいる。

今回の調査では、回答した企業の66%が2016年までに、世界金融危機前の海外直接投資 (FDI) の水準へ復帰することを計画しており、アジアの投資家が景気後退以前の水準を復活するために最も大きな貢献を見せている。投資家は安全な投資先を新しいチャンスと見出し、トップ25にランクインした国のうち4分の3近くが先進国からのランクインとなっている。
3年連続で、米国と中国が投資の対象国として1位と2位にランクインしている一方、英国が3年連続の上昇で3位につけた。米国は投資家の前向きなマクロ経済の展望に関しては全ての国をリードしていて、調査対象者のうち46%が米国経済の展望に関して1年前より楽観的で、44%が今後3年間で約3.6%のGDP成長率を予想している。世界の経営者は米国政府の継続した行き詰まりさえも米国内の投資に対する経営者の興味を損なうことはありそうにないと示唆している。

アジアの投資家は米国の成長展望についてとりわけ楽観的で、全般的に見れば、アジアの投資家は、投資先の国の地政学的不安定さや規制環境について他の投資家より懸念の度合いが低く、フロンティア市場に強い関心を示している。アジアの投資家の80%超が途上国での投資の維持、開始、増額に現在興味を持っていると述べている。

この研究の共同著者であり、A.T. カーニーグローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシルのマネージング・ディレクター、エリック・ピーターソンはこう述べている。「アジアの投資家が大小の発展途上国経済に焦点を合わせていることで、世界中の投資家が名の通った安全な“寄航港”を探している。2015年の海外直接投資信頼度指数(FDICI)は、世界の大手企業経営層の思惑をうかがい知る有効な手立てである。彼らは世界の主要な経済圏のあいだで金融政策の相違が広がっている、この一年間でリスクを管理しているのだから」
【地域別の概要】

アメリカ地域は、米国が3年連続でトップの位置を維持している。米国の政権は、国内経済の復活を実証する具体例として、過去2年間、本調査に関して繰り返し言及している。カナダは4番目の位置を死守。ブラジルはラテンアメリカで最高のランキングを維持し、2013年の3位からは下落したが、全体で6位にランクインしている。ブラジルの低迷した経済成長をよそに、投資家はブラジルの巨大な国内市場、増大している中産階級、天然資源の基盤に引きつけられている。メキシコは新しい改革政策がメキシコのビジネス環境を改善し続けているため3つ順位を上げ、9位にランクインしている。メキシコでは、原油価格の低迷にもかかわらず重大なエネルギー部門の改革が、2015年に計画されている。

欧州地域は、15ヶ国がトップ25にランクインし、経営者の関心をかつてないほど得ている。量的緩和を通じて緊縮財政から財政刺激策へと転換するという欧州中央銀行の決定に部分的に刺激され、ヨーロッパのこの指標における60%というシェアは、2014年においての40%からの急激な上昇となっている。指標を上げた国々は、ランキングで3年連続の上昇を続けている3位の英国、ユーロ圏の安定と健全な経済の源である5位のドイツを含んでいる。オランダは企業誘致などのためのブランディング・キャンペーン「Invest in Holland」のもとで海外投資を増やし、「StartupDelta」プログラムを通して最も世界との繋がりが深く、最も巨大なスタートアップのエコシステムを構築する取り組みを奨励して順位を9つ上げ、13位にランクインしている。フランスは、政府が税制上の優遇措置、行政手続きの簡易化、投資活動への規制緩和を導入したことで順位を2つ上げ、8位にランクインしている。

アジア地域は、中国のGDP成長率が7.0%に到達し、消費主導経済への移行が成功している兆候が持続することを調査対象者が期待していることで、2位にランクインしている。日本は、「失われた10年」と経済のスタグフレーションの後に、昨年の19位から7位に急上昇している。これは、安倍政権の成長戦略の三本目の矢が、グローバル企業経営者にとって日本が海外直接投資先として魅力的なものにするという兆候かもしれない。アジア経済は世界の海外直接投資の40%超を呼び込んでいるが、国内の消費者市場により引き起こされる成長を見せ続けている。10位のオーストラリアは、中国、韓国、日本との2国間の取引協定を含む3つの重要な通商協定に対する交渉を最近終えた。インドは11位で、もし現在の政府の「モディ・マジック」が経済成長を加速させ、官僚支配を近代化するプランを導入することに成功すれば将来のランキングの急速な上昇を経験するかもしれない。これには「メイク・イン・インディア」イニシアチブを含むが、これはインドでのビジネスの実行をより容易にし、いくつかの地域で外国資本比率の上限を撤廃または緩和することを目的としている。


本調査報告書(英語)はこちらから
http://www.atkearney.com/research-studies/foreign-direct-investment-confidence-index/2015/publication


【この件に関するお問合せ先】 A.T. カーニー株式会社 JP.inquiry@atkearney.com

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