2017年02月15日 16:30

アウンコンサルティング発表 2016年のインバウンド市場動向総括と今後の展望 ~2020年に向けて必要なことは何か~

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アウンコンサルティング株式会社は、アジア8拠点で、マーケティング(SEM(検索エンジンマーケティング)サービス、インターネット広告など)、アセットなどのグローバルコンサルティングを展開し、2016年6月より第19期目を迎えております。 2017年2月15日、2016年におけるインバウンド市場動向と、アウンコンサルティングが予測する今後のインバウンド市場の展望を発表いたします。

アウンコンサルティング株式会社(東証二部:2459、本社:東京都文京区、代表取締役:信太明、以下アウンコンサルティング)は、アジア8拠点で、マーケティング(SEM(検索エンジンマーケティング)サービス、インターネット広告など)、アセットなどのグローバルコンサルティングを展開し、2016年6月より第19期目を迎えております。
2017年2月15日、2016年におけるインバウンド市場動向と、アウンコンサルティングが予測する今後のインバウンド市場の展望を発表いたします。

アウンコンサルティング発表 2016年のインバウンド市場動向総括と今後の展望

■訪日外国人観光客の概況

2015年の訪日外国人観光客(以下訪日客)数は、前年比47.1%増の約1,974万人(+632万人)に対し、2016年1月から12月までの訪日客数は、前年比21.7%増の約2,404万人(+430万人)(推計値)に達しました。日本政府観光局(JNTO)が統計を取り始めた1964年以降、累計で過去最高を更新し、これで5年連続の増加となりました。

地域・国別で見ると、訪日客が多い上位3地域は、昨年と同様、1位:中国637万人(前年比27.6%増)、2位:韓国509万人(前年比27.2%増)、 3位:台湾417万人(前年比13.3%増)となりました。
リピーター等を換算しない場合、韓国においては人口の約10%、台湾においては約17%が訪日していることになり、日本の人気の高さが伺えます。
※日本における年間の海外旅行客数(日本→海外)が人口の約12%となるため(※1)、日本からの海外渡航者全員が一つの国を選んでいるのと同程度の割合で、韓国や台湾で日本を選んでいます。

また、伸び率が上がっている国として、インドネシア27万人(前年比32.1%増)、フィリピン35万人(前年比29.6%増)、マレーシア39万人(前年比29.1%増)が挙げられ、東南アジアが今後の訪日客の増加に大きく影響すると想定されます。

欧米圏についても、米国124万人(前年比20.3%増)、英国29万人(前年比13.2%増)と、訪日客数は増加していますが、訪日客の分布は、アジアだけで訪日客全体の約84%となり、引き続き重視すべき訪日客はアジアに多いといえるでしょう。

※1 日本人口1億2,686万人に対し、2016年の海外旅行者数:約1,600万人であり、人口の約12%となる。
出典:日本政府観光局(JNTO) 訪日外国人旅行客統計
   総務省 人口データ
   外務省 各国基礎データ
   観光庁 日本人海外旅行者数

▼訪日客の消費金額
2015年は「爆買い」という言葉が流行語になったように、主に中国からの訪日客が家電やブランド品を大量に購入し、訪日客=買い物というイメージが強く印象付けられました。
しかし2016年4月8日、中国において海外で購入した商品を国内で持ち込む際にかかる関税を引き上げたことや為替影響等で買い物量が減少しました。小売業界としても、2016年は2015年と比較して、訪日客の消費行動がモノから観光や食・美容等のコト消費にシフトしたことで、売上が減少するなどの影響が出ました。リピーターが増えるにつれて、上記の傾向(モノ→コトへ変化)は更に顕著になると考えられます。

実際の消費動向を探るため、訪日客が多い時期である7月から9月期の方訪日者消費動向データを2015年と2016年で比較したものが以下となります。


※表が見にくい場合はPDFもしくは以下URLよりご確認ください。
https://www.auncon.co.jp/webunit/auncon/corporate/2017/0215.html
中国訪日客の滞在中の支出金額は、2015年と比較して平均購入者単価が約18,000円減少していますが、現地通貨に換算するとほぼ前年と変わらない金額であることがわかります。
内訳として、買い物代は日本円にして約50,000円、現地通貨100万元ほど減少していますが、飲食費・交通費は現地通貨換算で合計約100万元増加しております。
内訳で見れば、確かに買い物代の金額は減少しているかもしれませんが、訪日中国人が日本国内で消費する金額は前年とほぼ変化はありません。市場はほぼ変動せず、訪日客数が増えた分消費金額も増加しているのは確かであり、内訳が変動していることが大きな要因といえるでしょう。

▼団体ツアーと個人客、リピーターと初訪日者
中国訪日客を中心に、これまで多かった団体ツアー客が個人旅行へとシフトしている傾向があります。”団体ツアーと個人旅行客の割合”は2015年7月~9月と2016年7月~9月の団体ツアーと個人旅行客の割合を表したものです。

訪日客全体でみても個人旅行は前年比6%増、アジアだけで見ると前年比8%増となりました。欧米の現状を見ると、2015年、2016年どちらも90%以上が個人旅行であることがわかります。近年ではこの割合にほとんど変化がないため、ほぼ上限割合とも想定できます。アジア地域も今後、同程度までは個人旅行比率が伸びる可能性があり、アジア地域の訪日客のリピーターが増えることにも影響すると考えられます。
以下は、2015年と2016年の訪日回数を比較したデータとなります。全体で見るとほぼ変化はありませんが、各国・地域別で見ると1%から2%ほど変化がみられます。
観光時の行動を考慮するとリピーターが多い国・地域においては更に「モノ→コト」、「首都圏→地方圏」が進むと想定されます。一方で中国においてはリピーター40%に満たない割合です。総人口に占める訪日者数がまだまだ少ないため、今後も一定の新規の訪日者が来ると考えられます。

※表が見にくい場合はPDFもしくは以下URLよりご確認ください。
https://www.auncon.co.jp/webunit/auncon/corporate/2017/0215.html
▼訪日客が訪れる日本の都道府県
訪日客が訪れる都道府県上位は、東京・大阪といった首都圏や京都や北海道といった観光地が中心です。そして、観光地の近くで宿泊することが多いと想定されます。
下記”宿泊施設稼働率”は、都道府県別の宿泊施設の稼働率です。


最も稼働率が高いのは大阪府の84%、次いで東京都の79%となります。4位の福岡県は、前年から2%増加し、ランクも2ランク上昇しました。2016年と2015年の稼働率上位都道府県は大きく変わってはいませんが、前年比で稼働率3.5%低下している東京都を始め、前年よりも稼働率が低下している都府県が多数みられます。対して、稼働率の低い都県は長野県と山形県以外は上昇している傾向があります。稼働率の高い上位の県は首都圏および観光名所を多く有する地域であることが多く、稼働率の低い県は地方圏であることが多いです。しかし、2015年から2016年の流れを見ると、首都圏から徐々に地方に宿泊客が流れている傾向が見られます。

合わせて前年比で稼働率が上昇した上位10件も表にしています。
香川県、三重県、青森県、栃木県など、規模の大きな空港などが無い地域の稼働率が上昇しています。多くの訪日客を中心とした観光客が、日本国内の移動手段を使い、多くの地方への流れていることがわかります。


※表が見にくい場合はPDFもしくは以下URLよりご確認ください。
https://www.auncon.co.jp/webunit/auncon/corporate/2017/0215.html
■検索市場におけるインバウンドの現状
検索市場におけるインバウンド状況として、昨年同様「日本旅行」「東京旅行」「大阪旅行」「京都旅行」「沖縄旅行」「北海道旅行」の検索数を調べました。(【Google検索数】)

検索数は全体的に2015年と比較しても増加している傾向がありますが、訪日者数と同様、伸び率が若干低下しています。2015年と比較して平均20~30%程度のため、訪日客数の伸び率とほぼ同じ結果となりました。
国別で見るとタイや台湾は前年より検索数が下回り、伸び率も低い傾向でした。両地域ともリピーターが多い地域でもあるため、初歩的な旅行情報を検索しない(別のより具体的なキーワードでの検索が増加している可能性がある)傾向があると考えられます。
キーワードを都道府県別に見ると、東京・大阪などの首都圏より、北海道・京都といった地方の検索数の方が伸び率の高い傾向がありました。こちらも地方の宿泊場所稼働率と比例した結果となりました。

 また、2015年に爆買いの現場となった各百貨店や家電量販店についての検索数も「伊勢丹」「三越」「ビックカメラ」について調べました。(【Google検索数 百貨店・家電量販店】)
百貨店については、検索数自体は増加していますが、タイ等の現地に店舗がある場合もあるため、訪日のみのニーズを把握することが難しくなります。対して、前年よりも検索数が低下しているのは、家電量販店であるビックカメラです。海外店舗ではなく、訪日客のみの検索であると考えられますが、家電の購入量減少に伴い、店舗名の検索も減少したものと想定されます。

 尚、「訪日客の消費金額」でも触れたとおり、買い物代に変わって増加したのは飲食代や移動費です。今回は飲食・移動関連キーワードとして、「ロボットレストラン」「一風堂」「一蘭」「JRパス」を新しく対象として調査しました。
ロボットレストランは、元々欧米地域での認知度が高く、検索数も多い状況でしたが、2016年はアジア地域でも検索数が増加しました。一風堂・一蘭といった「とんこつラーメン店」は、訪日客の行列をよく目にする店舗ではありますが、こちらも2016年にかけて検索数が増加しています。滞在中の支出金額の内訳についても、検索結果と組み合わせてみると相関性、連動性があることが分かりました。

※表が見にくい場合はPDFもしくは以下URLよりご確認ください。
https://www.auncon.co.jp/webunit/auncon/corporate/2017/0215.html

■2016年のインバウンド市場で見えた課題と今度の対策
2016年におきた爆買いの収束(実際には高価な商品の購入減少)とよく報道されましたが、結果的に訪日客数は歴代最高数であり、市場も全体的に拡大途中です。

ひとつの区切りとなる2020年に向けて、一人あたりの消費金額は減少しつつも、訪日客数の伸びがカバーし、最終的な消費金額総額は増加していくことが予想されます。ただし、今ある目標として、政府が掲げているのは2020年に訪日客数4,000万人、消費金額8兆円です。2015年までの伸び率であれば、達成可能と想定されますが、2016年はマクロ環境の変化等により伸び率が鈍化したことで非常に難しくなることが予想されます。2014年から2015年で訪日客数は前年比47.1%増加しましたが、2015年から2016年は前年比21.7%の増加となりました。
2020年の訪日客政府目標である4000万人を達成するためには、2017年以降、毎年最低でも400万人ずつの訪日客の増加が必要になります。以下が400万人で増加した場合の訪日客数推移です。

【 毎年400万人増加した場合の訪日客数想定 】
2016年: 2,400万人(+21.7%)
2017年: 2,800万人(+16.7%)
2018年: 3,200万人(+14.3%)
2019年: 3,600万人(+12.5%)
2020年: 4,000万人(+11.1%)

母数が増加するので必要伸び率は下がりますが、直近傾向から鑑みると、今後数年にかけて400万人の増加という数字は、それなりにハードルが高いといえます。
訪日客数4,000万人達成ためには、今後、一部の国・地域に対するビザ発給の更なる緩和や解禁、リピーターの方が増えるような仕組みや魅力づくり等が必要になってくるかもしれません。
 
また、消費金額の目標についても目標8兆円に対して、仮に上記の訪日客数となった場合の消費金額想定に関しては以下となります。

【 毎年400万人増加した場合の消費金額想定 】
2016年: 3兆7476億円
2017年: 4兆2,000億円(+16.7%)
2018年: 4兆8,000億円(+14.3%)
2019年: 5兆4,000億円(+12.5%)
2020年: 6兆0,000億円 (+11.1%)
※一人あたりの消費金額を爆買影響が発生する前、2014年の消費金額(151,174円)をベースに150,000円としました。

仮に消費金額が2014年度水準まで一旦低下し、その後キープ、且つ訪日客数が政府目標通りになったとしても消費金額は8兆円に届かないという見通しになります。

市場が拡大していくとはいえ、以上を踏まえると、現実的には「訪日客数の目標以上増加」や「訪日客の消化金額増加施策(一人当たりの単価増)」を更に強化していく必要があります。

訪日客の増加施策としては、引き続きビザの緩和を始めとした国単位の施策も必要になりますが、それ以外にも海外現地の方に対して各自治体・各企業が日本旅行の啓蒙活動やプロモーションを行っていく必要があります。今まではマクロ環境の変化から「行きやすい国」「行ける国」としての海外旅行先の候補に挙がりやすくなりましたが、更に訪日客数の増加を図るためには、その他の渡航先(国)よりも、日本が「行きたい国」になることが重要だと考えます。

そのためには、各自治体や企業が持つ観光資源、魅力的な施設や体験などを現地の方に伝え、日本を選んでもらう必要があります。日本国内からでも現地に向けたプロモーション方法はいくらでもあり、特にウェブを使った手法は多くの人に対してリーチが可能となります。国の施策だけにとらわれない姿勢が必要だと考えます。

また、訪日客の消化金額増加施策ですが、これは一人当たりの消費金額を増加させることを意味します。訪日客が増えればその分消費金額も増加するので、訪日客の増加とも比例しますが、単価を上げることは別の問題です。

訪日客の消費金額の内訳は、渡航前にかかる費用(宿泊先の予約や飛行機のチケット代など)と、滞在中にかかる費用(買い物代、飲食代、レジャー代、国内での移動交通費等)の二つです。渡航前にかかる費用を上げるためには、宿泊先に関連する対策をとることが重要になると考えます。

モノからコトへ(買い物から体験へ)消費行動が変化しつつある状況においては、買い物やレジャーの合計単価を増やすよりも、一人あたりの宿泊日数を増やしてもらう(プラスして、地方や地域を観光してもらう等)事で最終的な消費金額を増やしてもらうという方が現実的かもしれません。

インバウンド市場は成長途中の市場であり、課題も多くあります。オリンピックが終着地点ではなく、その後の成長性もあり、見えている未来は明るい市場でもあります。今いる現状を正しく捉え、目標を明確にした上でそれぞれに対応していく必要があります。


調査概要
【調査主旨】 
アウンコンサルティング発表 2016年のインバウンド市場動向総括、2017年の予測
~2020年の政府目標達成のために必要なことは何か~

【調査要綱】
・ 調査機関:アウンコンサルティング調べ
・ プレスリリース本文中に出てくる各社サービス名称は、各社の登録商標または商標です。
・ 本プレスリリースをご掲載される場合、『アウンコンサルティング調べ』とご記載の上、弊社までご連絡をお願いいたします。



【参考・引用元】
・日本政府観光局(JNTO)
・観光庁
・総務省
・外務省
・Google AdWords



アウンコンサルティング株式会社
[事業内容] 
東京、沖縄、台湾、香港、フィリピン、タイ、シンガポール、韓国のアジア8拠点で、SEO、PPC(リスティング広告)、ソーシャルメディア、リサーチなどのグローバルマーケティング事業及びアセット事業を展開
[設立]   1998年6月8日
[本社]   東京都文京区後楽1-1-7 グラスシティ後楽2F
[代表者] 代表取締役 信太明
[資本金]  341,136千円 (2016年11月末現在) 
[URL]  http://www.auncon.co.jp
[沿革] 1998年6月 千葉県松戸市で設立 
1998年9月 福島県福島市へ本社移転 
1999年10月 SEOコンサルティングを開始 
2001年1月 東京営業所を東京都文京区に開設 
2002年11月 PPC(リスティング)広告を販売開始 
2002年4月 東京都文京区に本社移転
2005年11月 東京証券取引所マザーズ市場上場
2006年12月 沖縄支店を沖縄県那覇市に開設 
2008年4月 タイ・バンコクに現地法人設立 
2010年6月 台湾・台北に現地法人設立 
2010年9月 香港、韓国・ソウルに現地法人設立 
2010年11月 シンガポールに現地法人設立 
2015年6月 フィリピンに現地法人設立
2016年10月 東京証券取引所二部市場上場
[プレスリリースに関するお問合せ] 
広報担当  七原 TEL:03-5803-2739 /MAIL:pr@auncon.co.jp(ただし、@は半角)


  • 趣味、旅行、レジャー、スポーツ

添付資料

会社概要

アウンコンサルティング株式会社
商号
アウンコンサルティング株式会社(アウンコンサルティングカブシキカイシャ)
代表者
信太 明(シダ アキラ)
所在地
〒112-0004
東京都文京区後楽1-1-7 グラスシティ後楽2F
TEL
03-5803-2739
業種
その他IT関連
上場先
マザーズ
会社HP
http://www.auncon.co.jp/
IR情報
http://www.auncon.co.jp/ir/2459.html
公式ブログ
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