プレスリリースの究め

『101回目のプレスリリース』は、「プレスリリースの配信」を題材に「恋愛」を掛け合わせ、物語としてプレスリリースや広報の基本を学んでいただけるストーリーコンテンツです。
―昼休み―



ふ~、これで4回目の送信完了―っと!

都内の飲食メーカーに勤める28歳の会社員。広報担当。
プレスリリースの基本は分かっているが、恋愛に関しては全くダメ。
広報担当者の交流会で出会った麗子とデートの約束を取り付けるために日夜奮闘中。
趣味は将棋の棋譜を眺めること。

早く麗子さんからデートの返事来ないかなー♪


グヘッ♪

来るわけないベア…


「ん?なんだ空耳か」

空耳ではないベア…


だ、誰だ!どこにいる!

ここベア


だからどこだー!


だからここだって言ってるベア!!



・ ・ ・

(まさかこの愛くるしいぬいぐるみが俺に話しかけてるのか?)

そのまさかってやつベア

!?

(こいつ俺の心が読めるのか?)


お前何者だ一体!


ミー?


ミーはぬいぐるみでも白くまでもない…


ミーはユーに恋愛とはなんたるかを指南するためにやってきたリリーだベア!

恋愛のアプローチ方法をプレスリリース配信で紐解くという独自の理論を持つ謎のぬいぐるみ。
タカシマを指南するために現世にやってきた。
白くまでは無いと言い張るが語尾に「~ベア」が付く。

タカシマ、ユーは広報担当者ベア?

そ、そうだけど。それがどうしたってんだよ。(っていうかなんで俺の名前と職種まで知ってんの…)

ならプレスリリースがどういったものかも分かるベアな?


「あったりまえだよ!プレスリリースってのは企業の公式文書。すなわち、新サービスや新商品の発売やイベント開催とか、企業の新たな活動報告を発表することを指すものだろ?メディアにニュースとして取り上げられることを目的とした、企業の情報を提供する(いわゆる広報)手法のこと!」

つまり、世の中で日々目にしている新サービスや新商品のニュースってのは、企業がプレスリリースを送って、その中からメディアが取り上げた記事ってことだな!



うんうん。基本は分かってるベアな。


あったりまえだろー!俺は社内で唯一の広報マンなんだから!

ついでだから教えてやるよ。プレスリリースを配信してメディアに取り上げられれば、広告と違って客観的なニュースとして取り扱われるからその効果は絶大なんだぜ。

その通りベアな。

お前本当に分かってるのか?まぁいいや

それゆえにマスコミやメディアには日々膨大な量のプレスリリースが各企業から送られていて、その中から記事化されるってのはかなりハードルが高いんだけどな!


ふんっ!

なんで、なんでプレスリリースのことはそこまで分かっていて、麗子にはまたメッセージを送ったベア!

え?だって返信が無いから

Idiot…(アホが…)

いでぃおっと?な、なんだよそれー!


タカシマ、ユーはプレスリリースが取り上げられなかった時、記者に何度も何度も同じ内容のプレスリリースを送るベアか?

いやいやいやいや、それはないでしょ。

なんでベア?ただ気付いてないだけかもしれないベア。


あのねー、記者ってのは日々大量にプレスリリースが送られてくるの!そんな中で同じ内容のプレスリリースを何回も送られてきたら迷惑極まりないでしょ!

そんなことする奴なんて広報担当者し・っ・か・く!

(なんで記者の気持ちは分かってるのに恋愛はこーなんだベア・・・)


その通りベア!でもさっきタカシマが麗子にしてたことは、記者に何度も同じ内容のプレスリリースを送ってるのと同じ行為ベア!


さ、さっきの俺…
・
・
・
―10分前―


んー。麗子さん、なんで返事くれないんだろう。そうか!色々忙しくて気づいてないのかもな!これで4回目だけど…念のためもう1回送ってあげよ!


グへッ♪
・
・
・
―現在―


分かったベアか?タカシマ、ユーがしてたことはそういうことベア

リリー、よく分かったよ。俺、もう乱発はしない…


分かってくれたなら良いベア。しつこい男もプレスリリースも嫌われるベアね♪


そうっすね。そこんとこも気をつけます


こうして麗子への乱発アタックは終了した。
タカシマと麗子の恋の行方はいかに。
そしてリリーとは一体何者なのか…




…
To be continued…
プレスリリース配信における学ぶべき今回のポイント
- 同じ内容のプレスリリースを送るのは一度までベア!
(何度も送るとメディアから嫌悪感を抱かれる可能性が高くなります。)
- メディアへ何度もアプローチするために、イベント情報やキャンペーン情報を小出しにして配信することも控えるベア!