一般社団法人 人事資格認定機構(HRAI、代表理事:華園ふみ江)は、2025年11月11日(火)、東京・虎ノ門の会場にて「第三回世界人事会議(25GHR Tokyo)」の基調講演会並びに記念晩餐会を開催しました。
● 公式サイト:https://www.ghrjapan.org/25ghr
本基調講演には、先般のプレスリリースにて来日決定をお知らせしたカンボジア政府・金融庁(Financial Service Authority (FSA) of Cambodia)の幹部代表団をはじめ、フィリピン、マレーシア、インドからの公式参加団およびシンガポール・オーストラリア・アメリカ、フランス、イギリスなど各国からの参加者を迎えました。
また、日本からは人事プロフェッショナル・経営幹部の参加者に加え、駐日ブルガリア特命全権大使、参議院議員、衆議院議員、起業家、大学院教授などが参加し、国境を越えて、官民学が一同に会し、グローバルな環境における「AI」「DE&I」「HR DX」をキーワードに、これからの人的資本経営と人事の役割についての最新動向のシェアと活発な対話が行われました。
今回は、新世代であるジェネレーション・アルファを代表して渋谷女子インターナショナルスクールから、校長引率のもと選抜生徒も参加し、国境・人種・文化・世代を超えた真のDE&Iを体現する場としての重要性も果たしました。
日本を「学びの場」として選んだ理由が、会場で「実感」に
HRAIは2025年10月、「カンボジア金融庁オフィサー代表団『第三回世界人事会議』への来日決定」に関するプレスリリースにおいて、カンボジア政府が国家戦略として「人的資本の開発と活用」を重視し、日本を学びと対話の場として選択したことをお伝えしました。
日本は、長年にわたり“人を大切にする”ヒューマンセントリックな人事を維持しつつ、ジョブ型・スキル型への移行、人的資本経営、DE&I推進、そしてAI・ピープルアナリティクスの導入といった新たな変革に取り組んでいます。
毎年11月に開催する「世界人会議GHR Tokyo」は、こうした「日本発・人を中心に据えた変革」の姿を、登壇者の講演や各国代表団との対話を通じて、具体的なストーリーとして共有する場として世界で既に認知が広がっています。昨年開催の「第二回世界人事会議」では韓国警視庁幹部代表団をお迎えしております。
基調講演概要 https://www.ghrjapan.org/keynote
テーマ「人事の未来を創造する:Be Creative!」
~組織のサステナビリティを支える人事の役割・変革の時代における人事戦略
DE&Iの推進とAIの躍進、HR DXのこれから~ https://www.ghrjapan.org/keynote
開会のご挨拶(13:00~13:30)
「第三回世界人事会議(25GHR Tokyo)」主催者からのご挨拶一般社団法人 人事資格認定機構 設立者・代表理事 華園ふみ江
パネルディスカッション #1「未来を創る国策:デジタル人財育成とAI戦略」(13:30~14:00)
o 駐日ブルガリア共和国 特命全権大使
マリエタ・ペトロヴァ・アラバジエヴァ閣下
o 衆議院議員 笠 浩史 氏
o モデレーター:
一般社団法人 人事資格認定機構(HRAI) 設立者・代表理事 華園ふみ江
ブルガリアと日本の双方が推進するデジタル人財育成とAI戦略をテーマに、政府主導の政策と官民連携のあり方を議論するパネルディスカッションを実施しました。
日本政府の取り組みについては、衆議院議員 笠 浩史 氏より、教育・産業・人事をつなぐ国家戦略の取り組みや、「GIGAスクール構想」「DXハイスクール構想」を含む日本の政策が説明されました。
駐日ブルガリア共和国 特命全権大使からはブルガリア政府が推進するデジタル施策と、バルカン半島におけるデジタル人財育成のリーディングカントリーとしての取り組みが紹介されました。また長年にわたる初等・中等教育段階からのSTEM教育の徹底や、若年層へのプログラミング教育の普及など、国家戦略としての人財育成モデルが共有されました。
質疑応答では、インド代表団からは、シニア層へのDXリカレント教育の難しさが提起され、日本およびブルガリアにおけるDX・リスキリング施策の実態や、その具体的な進め方について踏み込んだ質問が寄せられました。
政府のリーダーシップと民間の創意工夫がイノベーションと持続可能な人財育成を生む鍵であることを確認するとともに、育成された人財が活躍できる場を創出していくことこそがグローバル人事の重要な責務であると、華園がセッションを締めくくり、未来の世界と人事のあり方について共通認識を深める、有意義なセッションとなりました。
基調講演「流行から実行へ:AIが形づくる人事の未来」(14:30~15:30)
Kenja 株式会社 代表取締役社長 片木 テッド氏
急速に進化する生成AIの可能性と「言語だけの知能」「幻覚」「メモリ制約」などの限界が整理され、人事がどのように備えるべきかが示されました。
AIを「アシスタント」「ワークフローに組み込まれたエージェント」「自社ナレッジと連携するRAG(検索拡張生成)」として使い分け、評価コメント作成、オンボーディング自動化、HRポリシーチャットボットなど具体的なHR活用例が紹介され、人が最終判断を行うことの重要性が強調されました。
さらに、セキュリティ・プライバシー・正確性のリスクに対しては、ゼロトラストやアクセス制御、多拠点コーパスによる「Multiple Brains」型の情報管理が有効であるとし、AIリテラシーとコンテンツマネジメントを前提に、小さなパイロットから全社展開へとつなげていくことが提言されました。
参加者との質疑応答では、カンボジア金融庁代表団より、金融行政においてはフィンテック分野でのAI活用を最重要テーマとしていることが共有されました。
また、具体的な人事業務への活用方法に関する質問が相次ぎ、特に汎用的な生成AIと、自社ナレッジと連携するRAG(検索拡張生成)型AIをどのように使い分けるべきかについて、参加者から踏み込んだ質問が寄せられました。
本基調講演では、急速に進化する生成AIを「流行」で終わらせず、人事の現場でどう「実行」に落とし込むかという実践的な視点が提示されました。
パネルディスカッション #2「DE&Iの真実:世界各国の今とこれから」(16:00~16:30)
o フィリピン参加団代表 ギルバート・カマスラ 氏
o マレーシア代表団代表 チン・ウェイホン 氏
o 参議院議員 石井 苗子 氏
o モデレーター:
一般社団法人 人事資格認定機構(HRAI) 主任講師 ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング
マネージング・プリンシパル ロッシェル・カップ 氏
日本・フィリピン・マレーシアそれぞれの文化的・政治的・経済的背景のもとで、DE&Iがどのように進化しているかが議論されました。参議院議員 石井苗子氏からは、自民党総裁選への女性候補擁立という歴史的出来事が、日本における女性リーダーシップとDE&I議論に与える影響について示唆が共有されました。
フィリピン代表 ギルバート・カマスラ氏からは歴史的に女性リーダーや多様な価値観を受け入れてきた一方で、宗教・家族観などの伝統的価値観が根強く、LGBTQ+やマイノリティ人財のインクルージョン、障がい者雇用などの面で、制度と現場運用のギャップが依然として課題となっていることが共有されました。
マレーシア代表 チン・ウェイホン氏からは、多民族・多宗教国家としての強みを持つ一方で、民族・宗教・ジェンダーのバランスをどうマネジメントするかが大きなテーマであり、公的機関・企業双方で、採用・昇進・報酬における公平性と、宗教的配慮や文化的慣行との両立が継続的な課題であることが指摘されました。
各国から伝統的価値観と平等・包摂の両立に向けた職場や社会での具体的な取り組みが紹介され、モデレーターのロッシェル・カップ氏が、近年の米国におけるDE&I政策後退の動きも踏まえつつ、各国の共通点と相違点を整理し、今後のグローバルDE&Iの方向性を問いかけるセッションとなりました。
また、DE&Iの重要な論点として、歴史上初めて5世代が同じ職場で働く時代をどのようにデザインしていくかが取り上げられました。
質疑応答では、次世代を担うジェネレーション・アルファの育成をテーマに、渋谷インターナショナルスクール赤荻校長による先進的な教育・人財育成の取り組みも紹介され、世代を超えたDE&Iのあり方について議論が深まりました。
AI、DE&I、HR DXというテーマを、人事・政策・外交・現場のそれぞれの視点から立体的に捉え、「人を中心に据えなが
ら、データとテクノロジーをどう活かすか」という問いが会場全体で共有されました。
記念晩餐会 18:30~20:30 https://www.ghrjapan.org/banquet
記念晩餐会では、各国代表団、登壇者、スポンサー企業、そして日本の人事・経営リーダーが一堂に会し、着席ディナーを囲みながら国境を越えたネットワーキングと意見交換が行われました。日本の代表的な伝統楽器「三味線」の演奏も提供され、三味線を初めて知る海外参加者も見られました。
親交を深めるとともに基調講演やパネルディスカッションで交わされた議論がさらに論じられ、新たなコラボレーションの可能性や次年度に向けたアイデアが各テーブルで活発に語られました。まさに25GHR Tokyo を象徴する「人事で繋ぐ、日本と世界」を参加者一人一人の友好を通じて体現する場として、大きな盛り上がりを見せました。
カンボジア金融庁オフィサー代表団との対話
金融行政と人的資本の接続を、日本の経験から学ぶ
基調講演・記念晩餐会ではカンボジア金融庁(Financial Service Authority (FSA) of Cambodia)代表団と、日本の行政・企業の人事・経営層との意見交換も行われました。代表団は、日本における人的資本経営の進展や、民間企業における伝統的な終身雇用からジョブ型・スキル型への人事制度改革、自律的キャリア形成への取り組み、そして公的機関における人財育成の現状に強い関心を示しました。あわせて、金融行政の高度化やガバナンス強化に人事の視点をどのように組み込むべきかについて、活発な意見交換が行われました。
華園ふみ江は、次のように述べています。
「人事は、国や産業の違いを超えて、“人の可能性を信じ、未来をともに創る”という共通の使命を持っています。今回の基調講演と国際代表団の対話を通じて、日本が“人的資本経営を学び合う場”として世界から信頼を寄せていただいていることを、改めて実感しました。日本から世界へ、そして世界から日本へ、人事を通じた学びの循環をさらに広げていきたいと考えています。」
多国間対話が映し出した「人事のこれから」
AIリテラシー、DE&I、HR DX-共通する課題とチャンス
● AIリテラシーは、これからの人事にとって不可欠な基礎能力であること
● DE&Iは“スローガン”ではなく、組織の持続可能性とイノベーションの源泉であること
● AI・HR DXとピープルアナリティクスは、ヒューマンセントリックな文化を損なうものではなく、むしろ人を活かす意思決定を支えるツールであること
● 公的機関も企業も、「人事を経営の中心に据える」ことが、国・産業の競争力を左右すること
● ブルガリア・日本ともにデジタル人財の育成とリスキル・リカレント教育は国策の中心として官民協同で推進されている
これらは、HRAIがこれまでの世界人事会議や人事国際教育プログラムを通じて訴えてきた「People-First × Data-Driven」というメッセージとも強く共鳴するものであり、前回プレスリリースでお伝えした「日本におけるグローバル人事のハブ」としての役割が、具体的な対話・学び・ネットワークとして可視化された形となりました。
ワークショップ・国を超えた民間・行政・学術機関との連携・人事国際資格(GHR-Professional)のさらなる普及へ
第三回世界人事会議(25GHR Tokyo)11月11日(火)基調講演・記念晩餐会から11月12日(水)・13日(木)のワークショップセッションへと続き、AI・DE&I・人的資本経営をテーマに、各国の事例研究やグループディスカッションが行われました。その模様は後日プレスリリースなどにおいて公式発表をいたします。
HRAIは今後も、各国の民間機関・政府機関・人事協会・教育機関・との連携を通じて、下記の取り組みを進めてまいります。https://www.ghrjapan.org/ghrp
● 人事国際教育プログラム(Global HR Education Program)および人事国際資格 GHR-Professionalの提供拡大
● GHRアカデミー(グローバル人事の総合的教育プログラムと資格認定)の拡充
● AI・人的資本経営・人財育成プログラムの共同開発
● 世界人事会議(GHR Tokyo)を核とした、継続的な国際人事ネットワークの構築
「第三回 世界人事会議(25GHR Tokyo)」開催概要
~これからの人事― AIとの協働、そして多様性を日本と世界の視点から~
会期:2025年11月11日(火)~13日(木)
第1日目:基調講演・晩餐会
日時:2025年11月11日(火)
基調講演 13:00~17:00
晩餐会 18:30~20:30
会場:Vision Center Tokyo Toranomon
第2・3日目:ワークショップセッション
日時:2025年11月12日(水)・13日(木) 各日13:00~18:00
会場:衆議院第一議員会館(国際会議室)
主催:一般社団法人 人事資格認定機構(HRAI)
公式サイト:25GHR 公式ページ:https://www.ghrjapan.org/25ghr
世界人事会議は「人事で繋ぐ、日本と世界」をミッションに掲げ、2023年から毎年11月に東京の会場で開催しております。次回「第四回世界人事会議(26GHR Tokyo)」は2026年11月に開催いたします。詳細は随時発表いたします。
● 公式サイト:https://www.ghrjapan.org/25ghr
本基調講演には、先般のプレスリリースにて来日決定をお知らせしたカンボジア政府・金融庁(Financial Service Authority (FSA) of Cambodia)の幹部代表団をはじめ、フィリピン、マレーシア、インドからの公式参加団およびシンガポール・オーストラリア・アメリカ、フランス、イギリスなど各国からの参加者を迎えました。
また、日本からは人事プロフェッショナル・経営幹部の参加者に加え、駐日ブルガリア特命全権大使、参議院議員、衆議院議員、起業家、大学院教授などが参加し、国境を越えて、官民学が一同に会し、グローバルな環境における「AI」「DE&I」「HR DX」をキーワードに、これからの人的資本経営と人事の役割についての最新動向のシェアと活発な対話が行われました。
今回は、新世代であるジェネレーション・アルファを代表して渋谷女子インターナショナルスクールから、校長引率のもと選抜生徒も参加し、国境・人種・文化・世代を超えた真のDE&Iを体現する場としての重要性も果たしました。
日本を「学びの場」として選んだ理由が、会場で「実感」に
HRAIは2025年10月、「カンボジア金融庁オフィサー代表団『第三回世界人事会議』への来日決定」に関するプレスリリースにおいて、カンボジア政府が国家戦略として「人的資本の開発と活用」を重視し、日本を学びと対話の場として選択したことをお伝えしました。
日本は、長年にわたり“人を大切にする”ヒューマンセントリックな人事を維持しつつ、ジョブ型・スキル型への移行、人的資本経営、DE&I推進、そしてAI・ピープルアナリティクスの導入といった新たな変革に取り組んでいます。
毎年11月に開催する「世界人会議GHR Tokyo」は、こうした「日本発・人を中心に据えた変革」の姿を、登壇者の講演や各国代表団との対話を通じて、具体的なストーリーとして共有する場として世界で既に認知が広がっています。昨年開催の「第二回世界人事会議」では韓国警視庁幹部代表団をお迎えしております。
基調講演概要 https://www.ghrjapan.org/keynote
テーマ「人事の未来を創造する:Be Creative!」
~組織のサステナビリティを支える人事の役割・変革の時代における人事戦略
DE&Iの推進とAIの躍進、HR DXのこれから~ https://www.ghrjapan.org/keynote
開会のご挨拶(13:00~13:30)
「第三回世界人事会議(25GHR Tokyo)」主催者からのご挨拶一般社団法人 人事資格認定機構 設立者・代表理事 華園ふみ江
パネルディスカッション #1「未来を創る国策:デジタル人財育成とAI戦略」(13:30~14:00)
o 駐日ブルガリア共和国 特命全権大使
マリエタ・ペトロヴァ・アラバジエヴァ閣下
o 衆議院議員 笠 浩史 氏
o モデレーター:
一般社団法人 人事資格認定機構(HRAI) 設立者・代表理事 華園ふみ江
ブルガリアと日本の双方が推進するデジタル人財育成とAI戦略をテーマに、政府主導の政策と官民連携のあり方を議論するパネルディスカッションを実施しました。
日本政府の取り組みについては、衆議院議員 笠 浩史 氏より、教育・産業・人事をつなぐ国家戦略の取り組みや、「GIGAスクール構想」「DXハイスクール構想」を含む日本の政策が説明されました。
駐日ブルガリア共和国 特命全権大使からはブルガリア政府が推進するデジタル施策と、バルカン半島におけるデジタル人財育成のリーディングカントリーとしての取り組みが紹介されました。また長年にわたる初等・中等教育段階からのSTEM教育の徹底や、若年層へのプログラミング教育の普及など、国家戦略としての人財育成モデルが共有されました。
質疑応答では、インド代表団からは、シニア層へのDXリカレント教育の難しさが提起され、日本およびブルガリアにおけるDX・リスキリング施策の実態や、その具体的な進め方について踏み込んだ質問が寄せられました。
政府のリーダーシップと民間の創意工夫がイノベーションと持続可能な人財育成を生む鍵であることを確認するとともに、育成された人財が活躍できる場を創出していくことこそがグローバル人事の重要な責務であると、華園がセッションを締めくくり、未来の世界と人事のあり方について共通認識を深める、有意義なセッションとなりました。
基調講演「流行から実行へ:AIが形づくる人事の未来」(14:30~15:30)
Kenja 株式会社 代表取締役社長 片木 テッド氏
急速に進化する生成AIの可能性と「言語だけの知能」「幻覚」「メモリ制約」などの限界が整理され、人事がどのように備えるべきかが示されました。
AIを「アシスタント」「ワークフローに組み込まれたエージェント」「自社ナレッジと連携するRAG(検索拡張生成)」として使い分け、評価コメント作成、オンボーディング自動化、HRポリシーチャットボットなど具体的なHR活用例が紹介され、人が最終判断を行うことの重要性が強調されました。
さらに、セキュリティ・プライバシー・正確性のリスクに対しては、ゼロトラストやアクセス制御、多拠点コーパスによる「Multiple Brains」型の情報管理が有効であるとし、AIリテラシーとコンテンツマネジメントを前提に、小さなパイロットから全社展開へとつなげていくことが提言されました。
参加者との質疑応答では、カンボジア金融庁代表団より、金融行政においてはフィンテック分野でのAI活用を最重要テーマとしていることが共有されました。
また、具体的な人事業務への活用方法に関する質問が相次ぎ、特に汎用的な生成AIと、自社ナレッジと連携するRAG(検索拡張生成)型AIをどのように使い分けるべきかについて、参加者から踏み込んだ質問が寄せられました。
本基調講演では、急速に進化する生成AIを「流行」で終わらせず、人事の現場でどう「実行」に落とし込むかという実践的な視点が提示されました。
パネルディスカッション #2「DE&Iの真実:世界各国の今とこれから」(16:00~16:30)
o フィリピン参加団代表 ギルバート・カマスラ 氏
o マレーシア代表団代表 チン・ウェイホン 氏
o 参議院議員 石井 苗子 氏
o モデレーター:
一般社団法人 人事資格認定機構(HRAI) 主任講師 ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング
マネージング・プリンシパル ロッシェル・カップ 氏
日本・フィリピン・マレーシアそれぞれの文化的・政治的・経済的背景のもとで、DE&Iがどのように進化しているかが議論されました。参議院議員 石井苗子氏からは、自民党総裁選への女性候補擁立という歴史的出来事が、日本における女性リーダーシップとDE&I議論に与える影響について示唆が共有されました。
フィリピン代表 ギルバート・カマスラ氏からは歴史的に女性リーダーや多様な価値観を受け入れてきた一方で、宗教・家族観などの伝統的価値観が根強く、LGBTQ+やマイノリティ人財のインクルージョン、障がい者雇用などの面で、制度と現場運用のギャップが依然として課題となっていることが共有されました。
マレーシア代表 チン・ウェイホン氏からは、多民族・多宗教国家としての強みを持つ一方で、民族・宗教・ジェンダーのバランスをどうマネジメントするかが大きなテーマであり、公的機関・企業双方で、採用・昇進・報酬における公平性と、宗教的配慮や文化的慣行との両立が継続的な課題であることが指摘されました。
各国から伝統的価値観と平等・包摂の両立に向けた職場や社会での具体的な取り組みが紹介され、モデレーターのロッシェル・カップ氏が、近年の米国におけるDE&I政策後退の動きも踏まえつつ、各国の共通点と相違点を整理し、今後のグローバルDE&Iの方向性を問いかけるセッションとなりました。
また、DE&Iの重要な論点として、歴史上初めて5世代が同じ職場で働く時代をどのようにデザインしていくかが取り上げられました。
質疑応答では、次世代を担うジェネレーション・アルファの育成をテーマに、渋谷インターナショナルスクール赤荻校長による先進的な教育・人財育成の取り組みも紹介され、世代を超えたDE&Iのあり方について議論が深まりました。
AI、DE&I、HR DXというテーマを、人事・政策・外交・現場のそれぞれの視点から立体的に捉え、「人を中心に据えなが
ら、データとテクノロジーをどう活かすか」という問いが会場全体で共有されました。
記念晩餐会 18:30~20:30 https://www.ghrjapan.org/banquet
記念晩餐会では、各国代表団、登壇者、スポンサー企業、そして日本の人事・経営リーダーが一堂に会し、着席ディナーを囲みながら国境を越えたネットワーキングと意見交換が行われました。日本の代表的な伝統楽器「三味線」の演奏も提供され、三味線を初めて知る海外参加者も見られました。
親交を深めるとともに基調講演やパネルディスカッションで交わされた議論がさらに論じられ、新たなコラボレーションの可能性や次年度に向けたアイデアが各テーブルで活発に語られました。まさに25GHR Tokyo を象徴する「人事で繋ぐ、日本と世界」を参加者一人一人の友好を通じて体現する場として、大きな盛り上がりを見せました。
カンボジア金融庁オフィサー代表団との対話
金融行政と人的資本の接続を、日本の経験から学ぶ
基調講演・記念晩餐会ではカンボジア金融庁(Financial Service Authority (FSA) of Cambodia)代表団と、日本の行政・企業の人事・経営層との意見交換も行われました。代表団は、日本における人的資本経営の進展や、民間企業における伝統的な終身雇用からジョブ型・スキル型への人事制度改革、自律的キャリア形成への取り組み、そして公的機関における人財育成の現状に強い関心を示しました。あわせて、金融行政の高度化やガバナンス強化に人事の視点をどのように組み込むべきかについて、活発な意見交換が行われました。
華園ふみ江は、次のように述べています。
「人事は、国や産業の違いを超えて、“人の可能性を信じ、未来をともに創る”という共通の使命を持っています。今回の基調講演と国際代表団の対話を通じて、日本が“人的資本経営を学び合う場”として世界から信頼を寄せていただいていることを、改めて実感しました。日本から世界へ、そして世界から日本へ、人事を通じた学びの循環をさらに広げていきたいと考えています。」
多国間対話が映し出した「人事のこれから」
AIリテラシー、DE&I、HR DX-共通する課題とチャンス
● AIリテラシーは、これからの人事にとって不可欠な基礎能力であること
● DE&Iは“スローガン”ではなく、組織の持続可能性とイノベーションの源泉であること
● AI・HR DXとピープルアナリティクスは、ヒューマンセントリックな文化を損なうものではなく、むしろ人を活かす意思決定を支えるツールであること
● 公的機関も企業も、「人事を経営の中心に据える」ことが、国・産業の競争力を左右すること
● ブルガリア・日本ともにデジタル人財の育成とリスキル・リカレント教育は国策の中心として官民協同で推進されている
これらは、HRAIがこれまでの世界人事会議や人事国際教育プログラムを通じて訴えてきた「People-First × Data-Driven」というメッセージとも強く共鳴するものであり、前回プレスリリースでお伝えした「日本におけるグローバル人事のハブ」としての役割が、具体的な対話・学び・ネットワークとして可視化された形となりました。
ワークショップ・国を超えた民間・行政・学術機関との連携・人事国際資格(GHR-Professional)のさらなる普及へ
第三回世界人事会議(25GHR Tokyo)11月11日(火)基調講演・記念晩餐会から11月12日(水)・13日(木)のワークショップセッションへと続き、AI・DE&I・人的資本経営をテーマに、各国の事例研究やグループディスカッションが行われました。その模様は後日プレスリリースなどにおいて公式発表をいたします。
HRAIは今後も、各国の民間機関・政府機関・人事協会・教育機関・との連携を通じて、下記の取り組みを進めてまいります。https://www.ghrjapan.org/ghrp
● 人事国際教育プログラム(Global HR Education Program)および人事国際資格 GHR-Professionalの提供拡大
● GHRアカデミー(グローバル人事の総合的教育プログラムと資格認定)の拡充
● AI・人的資本経営・人財育成プログラムの共同開発
● 世界人事会議(GHR Tokyo)を核とした、継続的な国際人事ネットワークの構築
「第三回 世界人事会議(25GHR Tokyo)」開催概要
~これからの人事― AIとの協働、そして多様性を日本と世界の視点から~
会期:2025年11月11日(火)~13日(木)
第1日目:基調講演・晩餐会
日時:2025年11月11日(火)
基調講演 13:00~17:00
晩餐会 18:30~20:30
会場:Vision Center Tokyo Toranomon
第2・3日目:ワークショップセッション
日時:2025年11月12日(水)・13日(木) 各日13:00~18:00
会場:衆議院第一議員会館(国際会議室)
主催:一般社団法人 人事資格認定機構(HRAI)
公式サイト:25GHR 公式ページ:https://www.ghrjapan.org/25ghr
世界人事会議は「人事で繋ぐ、日本と世界」をミッションに掲げ、2023年から毎年11月に東京の会場で開催しております。次回「第四回世界人事会議(26GHR Tokyo)」は2026年11月に開催いたします。詳細は随時発表いたします。



