2013年02月12日 17:00

「金」相場は年初1660ドル、4678円で始まり、現在ドル建では下落しているが、グラム建では300円の上昇、94円台の円安と「金」相場の関連について(株)メリンダ・ダイヤモンドの「金」市況分析です。

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年初87円台から始まった円相場が円安傾向から、94円台に入り、麻生財務省からの牽制で、92円台まで調整があったが、ブレイナード米財務次官の発言から、94円台の円安基調に戻り、「金」相場はドル建て価格の下落にも関わらず、円建てでは上昇しています。ドル・円相場の関係とその行方、「金」を買う人、「金」を売る人、「金」準備を増やす途上国の今後、GFMS社の2012年の需給報告から分析してみました。

円安傾向が鮮明になったか? 先週末(8日)麻生財務大臣の「円安のペースが速すぎる」という発言からドル売りが強まり、

93円台半ばから92円台前半まで下落し、円建ての「金」も高値から反落、5000円を割り込み4980円近辺に下落。

一本調子の円安からグラム建て価格の上昇が続きましたが、円の調整場面かと思われたが、

思わぬ円安の応援団が出て円は一営業日で再度下落しました。

日本が休日だった昨日11日のNY時間に、ブレイナード米財務次官が

「金融・財政政策は国内問題に起因すべきで、それが各国が成長を達成する最善の方法だ」と発言したと伝わり、

更に「我々はそうしたアプローチを支持する」とも述べ、日本を名指しこそしていないものの、

安倍内閣によるデフレ脱却に向けた取り組みを支持したと市場は受け止め、

29ヶ月ぶりの円高となる9446銭に下落し、12日の東京市場では9420銭近辺で推移しております。

円安はどこまで?「金」相場と円安の関係について

「金」は昨年10月の高値1770ドルからは125ドルの下落ですが、

為替が15円幅円安になっているために,

昨年10月に4400円台であった国内価格は約600円上昇しているわけです。

国内の投資家からの買い需要は更なる円安を見越して買っておくスタンスが見られるようになりました。

2007年6月に124円台であった円相場は

2011年11月に75円32銭の史上最高値を見たのですが、

10年周期での円のトレンドを見ると、黄金分割比率を用いてチャート分析をすると、

124円から75円までの円の上昇幅49円の38.2%押しは93円97銭に当たり、

本日12日に94円台に乗せたことから、投資家は半値押しの99円73銭を意識しており、

更に61.8%押しの105円49銭を視野に入れているかもしれません。

ドル高では「金」が売られるか?

しかしながら、ドル高は利息を生まない「金」を売ってドルに資金が移動する経験則が有り、

昨日のNY時間では週末には1670ドル近辺であったが、一時1643ドルまで急落した「金」相場は、

12日11時半現在では1644ドル、4986円と円安の為、下落幅が小幅に留まっています。

円相場が円安傾向の進む前の昨年11月の79円台の頃を振り返ると、

当時は平均価格がドル建てで1730ドル近辺で、国内価格が平均価格で4400円近辺だったのですが、

もしも円相場が昨年11月当時の79円のままであったならば、

本日のドル建て価格1644ドル近辺では、4180円近辺にあると推定されますが、

94円台の円安が本日の4986円相場になっているわけで、15円の円安がグラム当たり800円の差になりました。

ドル建て相場は、下値とみられた節目の1650ドルを割り込んだことで、

中国が旧正月休み、インドが「金」の輸入税率の引き上げと実需を支える両国の買いが薄い今週は下値不安が残りますが、

円相場の下落が国内価格を引き上げる図式が今週も続くのでしょうか?

因みに1650ドル、94円近辺での為替一円の変動はグラム当たり約53円の変動があり、

円安になれば高くなり、逆に円高になれば安くなります。

しかし相場のことは神のみぞ知るですから、

ドル・円相場も、「金」相場も先行きは判りませんが、

円安を受けた東京株式市場は前場269円の上昇と、こちらは判りやすい反応を示している。

「国内での金買取量が減少」

Bloombergの報道によると、田中貴金属の発表で2012年の投資用金地金の買取量が、

2011年に比べて62%減の28.6トンであったとのことです。買取量の減少は3年ぶり。

小売価格の平均は2012年は4321円と2011年の4060円よりも高かったが、

2011年の大量の売りに反動もあって減少した模様。

また販売量も22.9トンと2005年から8年連続で買取の量を下回っているとのことです。

この動向を見ると売る人が減っているのが判りますが、

過去には相当量の「金」の輸入が長年続いたので、家庭のタンスの中や、

縁の下には相当量の金塊(インゴット)が眠っているものと思われます。

「金」準備を拡大する国、縮小する国

125日に国際通貨基金(IMF)が発表した月間統計の、

中央銀行の動向を見ると、11月に韓国が13.9トンを購入し、84.4トンと増加している。

12月にはロシアが19.9トン増の957.8トン、トルコが45.9トンの359.6ト ンとなっている。

ロシアに関しては、ロシア中央銀行の方針として

「今後も外貨準備として「金」などの貴金属を購入する方 針」を示すなど、計画的な購入が継続して行われている。

トルコは、商業銀行の準備資産と して「金」を使うことが認められていることもあり、

銀行部門への信認強 化のツールとして「金」準備の拡大が続いている。

中央銀行の「金」準備が増えることは需給関係にプラスであることは言うまでもないが、

一方イラクの「金」保有高が前月の39.4トンから29.9トンまで、9.5トン減少していたことが明らかになった。

イラク中央銀行の金大量売却は8月の購入から一転の売却は理由は不明だが、

マイナス要因であるが、公的部門全体 としては「金」準備拡大の方向性に変化は生じていないようだ。

因みに世界で「金」準備の多いのは次のようになっている

中央銀行の「金」保有高について

最大の「金」準備を有しているのは、あの映画「ゴールドフィンガー」で知られた米国だが、

その数量8133トン保有の米国に続き、世界で2番目の3391トンのドイツです。

世界の中央銀行は現在約3万トンの金を保有しており、

現在地上に存在する金の総量は
171300トン、

大凡オリンピックプール一杯分と言われているので、

総量の内、約
17%を中央銀行がもっていることになります。

中央銀行が持っている「金」は外貨準備の中にカウントされていますが、

残念ながら日本は
765.2トンしかなく、外貨準備に占めるその割合は僅かに3.3%で、

「金」準備の多い米、独、伊、仏などが
70%以上の比率で外貨準備の中で「金」を保有しているのですが、

日本の外貨準備の中に占める比率は他の国に比べ極端に低いようです。

各国外貨準備高に占める「金」の割合

       国名      トン     金の割合

1      米国    8133.5      77.1

2      ドイツ    3396.3 74

3 IMF 2814.1 N.A.

4 イタリア 2451.8 73.8

5 フランス 2435.4 73.3

6 中国 1054.1 1.8

7 スイス 1040.1 18.6

8 ロシア 879.2 9.7

9 日本 765.2 3.3

10 オランダ 612.5 62.5

11 インド 557.7 10.5

29 韓国 125.0 14.3


GFMS社の2012年の需給報告

トムソン・ロイター・GFMS社が「ゴールド・サーベイ2012 アップデート2を発表。

2012年の需給データの速報値です。 それによると、2013年通年の価格予想は平均で1847ドルとあります。

因みに2102年通年の平均値は1669ドルでした。

本日(12日)の1644ドル近辺は昨年平均より若干安くなっています。

2013年上半期については平均1775ドルとなってます。

需給データで目立ったのは、2012年の公的購入が前年比79トン増の536トンとなりました。

2011年は下半期に急増して457トンでしたが、

2013年上半期の予想は280トンとしている。

因みに2012年上半期は277トンでした。

このところ急増して注目されているトルコ中銀の保有量については、

同国の金融システム管理上の特殊要因

(国内銀行に対し中銀への預け入れを金にすることに変更)

から起きているものとしてデータから除外された。

(公的部門の売り越しは2008年まで続いていましたが、2009年以降に逆転して買い越しに転じていました。)

一方、2012年の鉱山生産は微増の2841トン、

宝飾品はインドの減少などから1885トンと4.4%の減少。

スクラップ(製品回収などからの2次供給)は1642トンとこちらも1.6%の減少。

ETFや先物などの投資需要は2012年の104トンから354トンに増加しています。

ETFの最大手のSPDRゴールドシェアーズの残高は12日現在1326.9トンとなっています。

このトムソン・ロイター・GFMS社のデータと予想から見ると、

2013年の見通しは需給関係から見て、通年の平均価格見通しを1847ドルとしているようです。

(レポートは弊社の独自の調査。分析によるもので売り買いを


お薦めするものではありません。ご判断は各自でお願い致します)


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免許情報東京都公安委員会/第306600607583号 古物商許可証

メリンダ・ダイヤモンドの歴史

1973年宝石卸売業を創業

1978年香港現地法人設立。海外仕入の担当社員を常駐

1979年アメリカ New Yorkに Melinda Diamonds Inc を設立、大粒ダイヤモンドの仕入を開始

DOC会員: ニューヨーク・ダイヤモンドディーラーズクラブの 会員になり、日本人としてユダヤ社会の仲間入りをする

1986年マンハッタンのダイヤモンド街、13W46THに NY自社ビルを置く

 同年、イスラエル現地法人としてMelinda Israelをテルアビブに設立、ファンシー、及び小粒ダイヤモンドの仕入れを開始

1988年 台東区東上野1-11-10に東上野店を設置

2004年 御徒町駅南口前に移転

社長のブログ http://wind.ap.teacup.com/uminoko/

小野寺靖著「プロが伝授するダイヤモンドの賢い売り方・買い方】をご希望の方にお送りします

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商号
株式会社メリンダ・ダイヤモンド(カブシキガイシャメリンダ・ダイヤモンド)
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小野寺靖(オノデラヤスシ)
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〒110-0005
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